KEYWORD · 2026年施行予定で、パートの年収106万円の壁が撤廃される見込みです
パートの年収106万円の壁が2026年に撤廃へ|手取りと130万円の壁への影響を解説
2026年10月、パートの106万円の壁は月収8.8万円以上の賃金要件が撤廃される見込みです。週20時間以上なら年収に関係なく社会保険に加入する可能性があり、手取りは約13〜15%減る例も。130万円の壁との違い、最低賃金別の年収・手取り目安、加入のメリットを整理します。
「106万円の壁」をめぐる社会保険の加入ルールが、2026年10月に見直される見込みです。これまでパートやアルバイトで働く人が勤務先の社会保険に加入するかどうかを左右してきた「月収8.8万円以上」という賃金要件が撤廃され、週20時間以上といった条件を満たせば、年収に関係なく加入対象になる可能性があります。本記事では変更のポイントと、年収・手取りの目安を整理します。
※本記事は2026年施行予定として報じられている内容に基づく整理です。制度の詳細は今後変更され得るため、加入条件の最終判断は日本年金機構や勤務先の案内でご確認ください。
2026年に何が変わる?106万円の壁撤廃のポイント
- 撤廃される見込み:社会保険の加入要件のうち「月収8.8万円以上」という賃金要件
- 残る見込み:週の所定労働時間20時間以上などの労働時間に関する条件
- つまり、年収(月収)がいくらかではなく、働く時間で加入が決まる方向へシフトします
これまでは「年収106万円」を境に加入が分かれていましたが、賃金要件が外れれば、同じ週20時間以上働く人でも年収によって加入したりしなかったりという状況は減っていくと考えられます。
年収106万円前後の手取り目安
106万円の壁を意識して働いてきた場合、加入の有無で手取りがどれくらい変わるかを確認しておきましょう。
| 状況 | 社会保険料(本人・年) | 手取り(年) |
|---|---|---|
| 週20時間未満・扶養のまま | 0円 | 約106.0万円 |
| 週20時間以上・勤務先の社会保険に加入 | 約159,000円 | 約90.1万円 |
| 加入して扶養時と同じ手取りに戻すには | ― | 年収約125.3万円が必要 |
加入すると手取りは一時的に減りますが、その分は厚生年金の保険料として将来の年金に積み立てられている点がポイントです。
「130万円の壁」は残る|判断の軸は年収から労働時間へ
106万円の壁が撤廃されても、家族の健康保険に扶養入りするための「130万円の壁」(被扶養者認定)は残るとされています。そのため、引き続き年収の上限を意識する必要がある人は少なくありません。
一方で、勤務先の社会保険に加入するかどうかは年収ではなく労働時間で判断される方向になるため、働き方を考える際の軸が「年収」から「労働時間」へ移る点が大きな変化です。自分がどちらの壁に当たるのかを、まず切り分けて考えると整理しやすくなります。
社会保険料で手取りはどれくらい減る?
社会保険料の本人負担は、おおむね年収の15%前後が目安とされます。内訳の一例として、厚生年金が月約8,100円、健康保険が月約4,300円(協会けんぽ東京支部の場合)で、合計すると月約12,000円・年約15万円程度になります。手取りの減少率は約13〜15%程度と考えるとよいでしょう。
また、厚生年金に加入すると将来の年金額が増えます。標準報酬月額88,000円で1年加入した場合、65歳から受け取る年金が年約5,800円増えるという試算もあります。短い期間でも積み上がる点は、加入のメリットとして押さえておきたいところです。
最低賃金から見たフルタイムの年収と手取り(参考)
2026年の最低賃金をベースに、月173.8時間働いた場合の年収と手取りの目安は次のとおりです。
| 地域 | 時給 | 年収 | 手取り目安(40歳未満・扶養なし) |
|---|---|---|---|
| 宮崎 | 1,085円 | 226万円 | 約186万円 |
| 全国平均 | 1,177円 | 245万円 | 約201万円 |
| 大阪 | 1,231円 | 257万円 | 約210万円 |
| 東京 | 1,280円 | 267万円 | 約218万円 |
全国平均は前年の1,121円から1,177円へ(+56円)引き上げられ、引上げ幅は54〜65円とされています。また、130万円の壁に達する月の労働時間は東京で84.6時間、全国平均で92.0時間という試算もあります。所得税の壁の上限とされる額面160万円に達する月の労働時間は、東京104.2時間、全国平均113.3時間、宮崎122.9時間です。
なお、これらは最低賃金をもとにした試算であり、給与所得者全体の平均年収を示す数値ではありません。全体平均を確認したい場合は、国税庁「民間給与実態統計調査」などの一次情報を参照してください。
比較ポイント:加入する場合としない場合
- 加入しない場合:社会保険料の負担はないが、将来の年金は増えず、けがや病気の際の給付も限られる
- 加入する場合:手取りは減るが、厚生年金・健康保険の保障が付き、将来の年金額が増える
- 扶養を外れる場合:家族の健康保険の扶養から外れ、自分で社会保険料を負担することになる
「手取りが減るから損」と一概に判断せず、保障と将来の年金を含めて考えることが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q. 106万円の壁が撤廃されると、年収は関係なくなるのですか?
A. 勤務先の社会保険への加入判断では、賃金要件が撤廃される見込みです。ただし130万円の壁(被扶養者認定)は残るため、家族の扶養に入る場合は引き続き年収が関係します。
Q. 手取りはどれくらい減りますか?
A. 年収106万円で加入した場合、社会保険料は年約159,000円、手取りは年約90.1万円という試算があります。減少率は約13〜15%が目安です。
Q. 加入すると損になりますか?
A. 手取りは減りますが、厚生年金に加入することで将来の年金が増えます。標準報酬月額88,000円で1年加入すると、65歳から年約5,800円増えるという試算もあります。
まとめ
2026年10月、パートの106万円の壁は賃金要件が撤廃される見込みで、週20時間以上などの条件を満たせば年収に関係なく社会保険に加入する可能性があります。一方で130万円の壁は残るため、自分がどちらの壁の影響を受けるのかを確認することが第一歩です。手取りは一時的に減るものの、将来の年金や保障が増える点も含めて、働き方を見直してみてはいかがでしょうか。
本記事の年収・手取りは公開情報や一般的な相場に基づく参考値です。勤務地・経験・企業規模・手当により大きく異なります。最新の求人・公式統計もあわせてご確認ください。